アリスです。
高橋しんの漫画「最終兵器彼女」はご存知でしょうか?
1999年12月27日に連載が開始し、2001年10月29日に完結しています。
もう17年も前の漫画のレビューですが、してみます。
物語のあらすじ
物語の主人公は、北海道の小樽で暮らす高校生シュウジとちせです。
ちせの告白により、シュウジとちせはつきあうことになります。
しかし、ちせの体に異変が起きてしまいます。
ちせは、最終兵器となってしまったのです。
なぜ最終兵器となったのか、その経緯は書かれていません。
とにもかくにも最終兵器となってしまったちせは、戦争で多くの人を殺すことになります。
ちせは、見た目こそ普通の女の子ですが、戦争にいく際、背中から翼が出て空を飛びます。背中からミサイルが発射されます。腕もマシンガンに変わります。
戦争がいったん終わると、元の姿に戻ります。
ちせは、最終兵器になってから、心臓の音がしなくなりました。最終兵器だから、人間ではなくなってしまったのです。
それでも、シュウジはちせを人間として愛します。
最終兵器彼女は、そんな二人の恋愛物語です。
皆さんの言いたいことは十分わかります。そんなめちゃくちゃなということですよね。
そうです、めちゃくちゃなんです・・。しかし、それがマンガです。
なぜ最終兵器彼女?
作者の高橋しんは、ある日電車に乗り、中づり広告を見ていました。
二つの単語が目に止まりました。
「最終兵器がどうのこうの」「彼女がうんぬんかんぬん」
それを見た高橋しんは、「彼女が最終兵器だったらすごいイヤだよなー」と思ったのです。
最終兵器彼女が誕生した瞬間です。
最終兵器や戦争が主題テーマではない
この物語の世界観はすさまじいです。
日本とどこの国が戦争しているかは書かれてませんが、日本はほぼ壊滅しています。
北海道だけが残っているのです。
そして、その北海道も、小樽以外はすべて壊滅してしまうのです。
しかし、実はこの漫画の主題は最終兵器や戦争ではないのです。
恋愛が主題テーマです。
初めて恋をした青春時代。
恋愛のことばかり考えていた若かりし頃の話なのです。
中学生、高校生が読むとはまる漫画
おそらくですが、今まさに青春を謳歌している中学生、高校生が読むとはまるでしょう。
私の学生時代の友人にもはまっていた人がいました。
その人との卒業旅行で、北海道の小樽の現場を見に行くはめになりました。
私は当時、最終兵器彼女の漫画をよんだことがなかったので、正直なんの感動もありませんでしたが・・。
ちせとシュウジが通っていた高校は、小樽の地獄坂を上った先にあります。
名前の通り、とても急な坂道です。
そして、ちせとシュウジが何度もデートした旭展望台の場所からは、小樽の景色が一望できます。山を15分程歩かなければなりません。
絵が下手?
正直、何がかいてあるのかわからないシーンがかなりあります。
背景は相当に雑だと思います。
漫画家によくありがちな、締め切りに追われて、絵が雑になってしまったのでしょうか。
ただ、絵の下手さなんてどうでもいいくらい、世界観がすごいので気になりません。
実は絵が下手というのは語弊があって、人物の絵(特に顔の表情)は相当にうまいです。
とくに女性の顔の表情が、とても上手だと思います。
ちせやシュウジの表情はとてもうまく描いています。顔を見るだけで、その人物が何を考えているのか想像できます。
ロリコン漫画?
これをいってしまったら、終わってしまうのですが・・ロリコン漫画といわれても仕方ないような気がします。
ちせは高校生ですが、とても幼く見えます。
また、性描写もあるのですが、正直「うーん・・・」と唸ってしまうような内容です。
ただし、高校生の視点だと、そのほうがリアルでいいのかもしれません。
たしかに高校時代はそういうこと考えていたなとも思います。
正直に言うと稚拙に感じるのですが、まだ大人になり切っていない高校生の話なので、それでよいのだと思います。
結末のネタバレ
戦争の結果、最後シュウジだけが生き残ります。
ちせ自身がシェルターとなり、シュウジはその中にはいり、宇宙に飛び立ちます。
シュウジ以外の人類は全滅しました。
おそらく、核戦争になり、破滅したのでしょう。