高齢の親がいる人は必見!93歳母が脳出血で入院。家族がとった行動とは?

アリスです。

母は2年前、91歳の時に自宅で転倒し、左大腿骨転子部骨折で手術を受けて以来、要介護2となり施設に入所しました。

施設ではスタッフの見守りのもと、歩行器歩行でトイレや洗面所に行っていました。年齢相応の頑固さや物忘れはあるもののコミュニケーションは良好で、施設での催し物を楽しんでいました。

また、母にとって長男や孫息子夫婦、孫娘や曾孫二人のいる自宅や孫娘夫婦宅、娘夫婦宅への外出や外泊を楽しみにしていました。

今回、2017年12月下旬の朝、93歳の母が入所している施設の職員から「お母さんの具合がよくないので、病院受診の手続きをとっています。すぐにお越し下さい」と連絡があり駆けつけました。

母の状態は、いつもと違う眠気の強い表情。左口角から流涎があり、呼び掛けると、かろうじて開眼はするものの、言葉がすぐに出てこない。瞳孔不同なし。左右の手足の動きをチェックすると、左手足の不全マヒがある。スタッフの方にバイタルサインを問うと、発熱はなく、血圧は160~170台、脈拍は80~90台で経過しているとのこと。

この症状は脳卒中、血圧が高めだから出血か?それとも梗塞か?と頭によぎりました。

ありがたいことに施設の隣が病院のため、すぐに対応してもらえました。

脳外科受診で頭CTの結果、右脳出血、脳室穿破と診断されて緊急入院となりました。

高齢者は、いつ何があってもおかしくありません。

母の経済上のキーパーソンは兄、生活上のキーパーソンは看護師をしている娘の私です。

それでは入院後、母親の状態とともに家族が何を考えて行動したかをお伝えします。

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入院に伴い、家族で医師の病状説明を聞く人を決める

母は緊急入院が必要な重症患者のため、ICU(集中治療室)に入室しました。

高齢のため手術の適応はなく、保存的治療で血圧コントロールとともに脳圧降下剤、止血剤が投与されました。

入院時大事なことは、家族の中で医師の病状説明を聞く人を決めておくことです。医師の説明が難しければ、わかりやすく説明してほしいと遠慮なく伝えてください。説明を聞いた人は、家族にその内容を伝えてください。一人で心配なら二人で聞いてもよいです。見舞いに来た家族が、入れ替わり立ち替わり病状説明を聞きたいというのは、他の患者さんにも対応しなければならない医師や看護師の時間をロスすることになるからです。

また病院から家族への連絡先についてもファーストコール、セカンドコールの人を決めておき、いつ連絡がきてもいいようにしておくことです。特に緊急入院になった場合は尚更です。

今回の入院では娘の私が病院と家族の窓口になることとして、兄には直接電話で状態を説明し、可能であれば毎日見舞いに来るように伝えました。

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ICUでせん妄状態が出現。家族ができること

母が入室したICUは、24時間体制で重症の救急患者の受け入れをしており、医療機器のモニター音やアラーム音が鳴り、病棟の構造も特殊な環境です。

母は脳出血による意識障害に加え、ICUの影響もあったのでしょう。

つじつまの合わない会話や混乱している様子が見られ、夜間の不眠等もあってせん妄状態になりました。

左不全マヒで体に力が入らず、自力で体の向きが変えられない。言葉が思うように出ない。うとうとしている時間が長く、時に唾液でむせる状態でした。

入院翌日から、ベッドサイドリハビリが慎重に開始されました。また3日目から、経口摂取がゼリーの形態で開始となりました。

私はグループラインで甥夫婦、姪夫婦、独身の姪の5人に、母の病状を随時発信しました。当然、息子達にもです。

ありがたかったことは、仕事や家事、育児などで多忙な彼らが時間を工面して、代わる代わるせん妄状態の母を見舞ってくれ、側にいてくれたことです。私からの情報で、自分たちの判断で行動してくれました。

母にとって、今まで出来ていたことが突然できなくなってしまったこと、生活環境と全く違った特殊な治療環境、眠りたくても眠れない夢か現の状態、これからどうなるのだろうという恐怖心もあったと思います。

たとえ理解が不十分だったとしても、大好きな孫たちの聞きなれた家族の声を聞くだけで、どれだけ安心につながったことでしょう。

彼らのおかげで、母のせん妄状態の悪化を防ぐことができ、人間性を取り戻すことができたと感謝しています。

また、母は時間を気にする人だったので、左右のベッド柵に時計を設置し、いつでも時間がわかるように工夫しました。そして見舞いの都度、机の上のカレンダーを見せて月日、曜日を伝えました。

せん妄状態の患者において、家族が見舞いに行って会話をしたり、時計やカレンダーを見せたりすることは見当識を保つのに役立つと言われています。

主治医に「治療行為に関する希望・意思表示」を伝える

母は何といっても超高齢者です。いつ何があってもおかしくありません。

兄とは直接会って、重要なことを話し合いました。

いずれ、母の状態が悪化し回復の見込みがなくなった場合、どこまでの治療を受けるかということです。治療行為に関する希望・意思表示を家族で考えておくということです。

母は元気な頃から、長生きはしたいけど、病気で悪くなっても管だらけにはなりたくない。食べられなくなっても、栄養ミルクの管とかは入れたくないと言っていました。

今の時点では母の意思を尊重し、兄も私も延命治療は希望しないという意向になりました。

延命治療とは心臓マッサージなどの心肺蘇生、気管内挿管による人工呼吸器の装着、中心静脈による栄養補給、鼻チューブや胃瘻による栄養補給などです。

急変で呼吸が停止した場合は、家族(私または兄)が到着するまで手による人工呼吸(アンビューバック)としました。

甥夫婦や姪夫婦、もう一人の姪も異存はありませんでした。

上記の話しあった内容については、主治医に申し出て文書にサインをしました。

これは決定事項ではありません。その時々の状況により変化するものです。家族で再度話し合って意向が変化した時は、申し出て再度文書にサインします。

治療行為に関する希望・意思表示については、通常は医療者サイドから説明がありますが、今回は私が看護師であることから、兄と話し合って主治医に伝えました。

大事なことは、本人が元気な頃にどのような生き方(死の迎え方)をしたいのかを聞いておくとよいと思います。

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一般病棟へ転出後、誤嚥性肺炎を発症。見舞いの持ち込み食については看護師に相談する

母は状態が悪化することなく経過し、4日目には一般病棟に転出しました。

日常生活動作は、自力で体の向きを変えることはできません。車いすへの移乗は全面介助です。食事も数口は自分で食べることはできても、もう食べたくないと言ってスプーンを置きます。介助すると少しは食べるので助けが必要です。むせがあるので誤嚥に注意です。

傾眠状態でうつらうつらしている時も多く、覚醒が十分でない時に誤嚥したのでしょう。誤嚥性肺炎になりました。すぐに治療が開始され、数日で治癒しました。

超高齢であること、脳出血後の状態であることから誤嚥性肺炎になりやすいのです。

そのためステップアップしていた食事形態が、朝と夕はゼリー状に、昼は粥、副菜はキザミ片くりあんかけで半量となりました。またリハビリ後は疲労が強いため休息をとらせて、食事時間に覚醒できるようにと担当看護師が調整してくれました。

甥夫婦や姪夫婦が子供たちを連れて来た時などは、自分からあまり声を出さない母が、ひ孫である子ども達の名前を呼んで、笑ったり手を握ったりしています。それを見ると、小さな子ども達の持つエネルギーの素晴らしさを感じます。

先日、遠方の叔母がパンやフルーツを持って見舞いに来てくれ、ちょうどパンを母に食べさせようとしていたところに私が病室に入りました。パンが喉に詰まると大変です。叔母には誤嚥しやすいのでと、今後食品の持ち込みを控えてもらうようにお願いしました。

そこで担当看護師に相談して、誰が見舞いに来ても見てもわかるように「食品の持ち込みはご遠慮願います」と病室(個室)の扉に数日間掲示してもらいました。この張り紙は効果があり、叔母達は食べ物よりも母と昔の写真を見たりして、母の思いを引き出してくれています。

母の生き様から、大切なものを考える

母の決意と感謝の祈り

母は若い頃から大変な苦労をしてきました。父の両親を看取り、年端もいかない小さな二人の女の子を病気で亡くし、そして働き盛りの父を事故で亡くしました。質素な生活の中、女手ひとつで愚痴ひとつ言わず兄と私を育ててくれました。

いつも、夜遅くまで仕事をしている母の背中を見てきました。

兄のお嫁さんを癌で亡くした時は、どれほど辛かったことでしょう。

しかし、母は「悲しんで泣いてばかりおれん。今、ばあちゃんがここで倒れたらこの家は大変なことになる。三人の孫たちを一人前にして世の中に出すまでは、なんとしても、ばあちゃんが頑張らないと。亡くなったお母さんの分まで頑張らないと」と自分に言い聞かせるように言っていました。

それを聞いた私は、80歳を過ぎた母の決意を知りました。

母にとって孫娘や孫息子が結婚した際、「勿体ないほどの良いご縁に恵まれて、本当にありがたいことや」と仏壇に手を合わせていました。亡くなった兄のお嫁さんやご先祖様など、いつも見守ってくださっている方々に感謝して、嬉しい気持ちを報告していました。折にふれて仏壇に手を合わせていた母の姿を思い出します。手を合わせることで亡くなった人達とつながり、会話をしていたのでしょう。

つまり、私達は亡くなった後も、この世で生きている人とつながりあえるということなのではないでしょうか。

親孝行とサムシング・グレートの関係

”ひらめき”や”虫の知らせ”というのを経験したことはありませんか?

これは、サムシング・グレート(偉大なる何ものか)からのメッセージだという人もいます。

「親孝行する」というと、古くさいことのように思われるかもしれませんが、親に孝行するというのは、その親も、またその親にも孝行することになり、突きつめればサムシング・グレートを喜ばせることになります。親孝行はサムシング・グレートとつながる第一歩とも言われています。

特別なことをする必要はありません。

親に気配りの声をかけることなど、当たり前のことができていない場合は、まず当たり前のことをすることから始めてください。

親と離れているのなら、心配させないようにこまめに電話するとか、今ならメールを送るとか、真心のこもった感謝の気持ちを何かの形で表すと、親はとても嬉しいと思います。

人は誰でも永遠の別れの日は必ずくる。その日が来る前に、大切な人に何を伝えるか

私は宗教家ではありませんから、「死」や死後の世界のことはよくわかりませんが、「死」を考えることは、「生」を考えることだと思っています。

いまを生きている私達に共通していること、それは人間誰でも遅かれ早かれ、いつか必ず「死」を迎えることです。

愛しい人や身近な親しい人の「死」が悲しいのは、いままでそばにいた存在がいなくなる喪失感からです。その人の声が聞けなくなる、会話ができなくなる、頼りにできなくなる、温もりを感じられなくなる、その寂しさと虚しさからなのです。

幸福な時間、心地よい時間、充実した時間。それらを与えてくれる恋人、夫婦、家族、友人、信頼し合える仕事のパートナーなど。その人と時間を共有できることは、人生の宝物です。そんな大切な人を、突然失ってしまう。

いつまで一緒にいられるかわかりません。それをしっかり心にとめて、お互いを大事にしたいものです。真心は伝わるのです。

あなたは大切な人に何を伝えますか? 

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