アリスです。
サーバ用途として数多の会社で利用されているものにLinuxがあります。
LinuxはWindowsやMacと並ぶ、世界三大OS(オペレーティングシステム)の一つです。
Linuxにはたくさんのディストリビューションがあります。
ディストリビューションというのは広義にはLinuxの種類のことを指します。
CentOSやUbuntuもディストリビューションの一つです。
ディストリビューションの種類について
せっかく、ディストリビューションの種類について話がでたので、どんな種類があるか書き出してみます。
といっても全てあげたら数百種類あるので、特に広く知られている5つだけあげます。
Ubuntu(ウブンツ)→ Debian系
Debian(デビアン)→ Debian系
CentOS(セントオーエス)→ RedHat系
Red Hat EnterPrise Linux(RHEL) → RedHat系
Fedora(フェドラ)→ RedHat系
Debian系とRedHat系と書きましたが、Linuxには大きく分けるとそれら2つに分けることができるからです。
ちなみに、必ずどちらかに属しているというわけではありません。どちらにも属していない独立系といわれるLinuxも存在します。
広まらずに開発中止になったLinuxディストリビューションも数多くあります。
気になる方はWikipediaを見てください。
CentOSとUbutsは人気のディストリビューション
上記に5つほどあげましたが、CentOSとUbuntuは特に人気のディストリビューションといっても過言ではないでしょう。
CentOSはサーバー用途として、Ubuntuはデスクトップ用途として使用されることが多いです。
なぜ、ディストリビューションに応じて用途が違うのか?を知るには、それぞれのディストリビューションの特徴を知る必要があります。
ちなみに、Googleの検索数が多いからUbuntuがよく使われているという記事がありますが、間違いです。検索数だけでは判断するのは浅はかです。
CentOSがサーバー用途で使われる理由
CentOSがサーバー用途として使われるのは下記の3点が大きな理由でしょう。
1.Red Hat社が作っているRed Hat EnterPrise Linux(RHEL)のクローンなので、信頼が高い
2.サポート期間が最大10年と長い
3.無償で利用できる
1について、Red Hat EnterPrise Linux(RHEL)を作っているアメリカのRed Hat社は大企業です。従業員数は7000人を超えます。(2017年10月現在)
例えば、Red Hat EnterPrise Linux(RHEL)にセキュリティホールが見つかったとすれば、迅速に修正されるでしょう。
企業が作っているのでメンテナンスがしっかりとされています。そのため、信頼性を要求されるサーバー用途に使われやすいです。
じゃあRHELを使えばよいのでは?と思われるでしょうが、RHELは有償なのです。
実は、CentOSを理解するには、Red Hat EnterPrise LinuxとFedoraのことも理解する必要があります。理解といっても、中身の難しい話でなく、特徴だけで構いません。
説明しますので、ざっと読んでみてください。
Fedoraの特徴
最先端の技術を積極的に取り込むディストリビューションです。
半年に1回くらいの頻度でリリースされていることから、リリース頻度は高いです。
最新の技術を取り込むのは、もちろん良い面もありますが、バグやセキュリティホールなどが見つかりやすいという悪い面もあります。
特に企業でサーバーとして運用するには、リスクは低くおさえるのが普通です。そのため、Fedoraがサーバーとして利用されることはあまりないです。
じゃあ、なぜそんなリスクのあることするのか??
それは実験を兼ねているからです。Fedoraで安定して使えることが分かった技術を商用のRed Hat EnterPrise Linuxに取り込むために運用して実験しているのです。
Fedoraは、無料で利用できます。
Red Hat EnterPrise Linux(RHEL)の特徴
アメリカのRed Hat社が開発しています。
Fedoraで運用した結果、安定して使えることがわかった技術を取り込んだLinuxディストリビューションがRed Hat EnterPrise Linux、頭文字をとってRHELと呼ばれています。
リリース頻度はゆったりとしており、メジャーバージョンアップは3~4年に一度です。(マイナーバージョンアップは半年~1年に一度)
ちなみに、RHELですが有償のディストリビューションです。使用料ですが、毎年約10万円が必要です。
高いですよね~。それがCentOSが使われる理由なのです。
CentOSの特徴
CentOSは上記のRHELとの完全互換を目指したLinuxディストリビューションです。
要は、RHELのクローンです。しかも、無料で使えます。
それって法律で処罰されないの?と思う人がいるかもしれませんが、問題ありません。
なぜなら、RHELのソースコードはGNU GPLライセンスにより公開されているからです。
ただし、RHELと100%同じものではありません。例えば、ロゴなどは商標権の侵害に当たりますので使えません。CentOSではそれらは除かれています。
Red Hat社が独自に作った有償のソフトがもし入っているなら、それも除かれてるはずです。
CentOSですが、Red Hat社からのサポートは受けられません。
CentOSのLinuxカーネルですは、一世代前のバージョン3系です。最新はバージョン4系でですが、あえて古いバージョンを使っています。カーネルにバグがある可能性もあるため、古いですが安定している前のものを使っているのです。
Ubuntuの特徴
ウブンツと読みます。ウブンチュとか、ウブントゥとか言う人もいますね。
Ubuntuはコミュニティによって開発されていますが、イギリスのカノニカル社が資金援助をしています。カノニカル社は700名ほどの会社で、RedHat社と比較すれば規模は10分の1ということになります。
無償で利用できます。
Ubuntuにはデスクトップ用途と、サーバー用途があります。デスクトップ用途のLinuxとしては圧倒的なシェアを誇ります。つまり個人ユーザーから最も使われているLinuxといえるでしょう。
デスクトップのデザインは紫を基調としており、とてもオシャレです。それも人気の理由の一つでしょう。
また、Fedoraと同じく半年毎のリリースです。最新技術をとりいれつつも、安定して使えることを目指しているようです。
最新技術ということで、Linuxカーネルもバージョン4系で最新です。
最新技術と安定の両立は非常に難しいですが、それに取り組んでいるところは評価できます。しかし、実際問題として、バグ修正などの更新は多いようです。
Ubuntuはサポート期間が短い
Ubuntuのサポート期間は、通常版ですと1年~2年で短いです。長期サポート版であれば最大5年程あります。しかし、CentOSのサポート期間最大10年と比べると短いですね。
このことがサーバー用途として使われにくい理由の一つといえるでしょう
企業でサーバの構築や管理されている方ならわかると思いますが、サーバーのOSバージョンアップは結構大変です。数台ならまだしも、何十個もサーバがあることもざらではありません。
また、サーバ上で動いているソフトウェアの再検証も必要です。OSがバージョンアップされることで、設定方法や使い勝手が変わります。設定ファイルの場所や名前、コマンド体系も変わる場合があります。CentOS6からCentOS7でだいぶ変わって苦労しました。(T_T)
それに、最悪の場合これまで動いていたソフトウェアが動かなくなるということもあります。
そういった理由もあり、サーバーは一度構築したら長く使いたいと思うのが自然です。
まとめ
Ubuntuもサーバー用途として色々なところで使われていますが、サーバー用途ではまだまだCentOSのシェアが多いといえるでしょう。
ただし、サーバーは用途に応じて、使うべきものが変わります。例えば、プロキシサーバなどはCentOSで充分でしょう。
業務を行う上で重要な機能を担うものであれば、ライセンス料がかかっても有料の物を使うべきでしょう。
そもそもLinuxでなく、Windowsサーバもあります。
最後に、本記事で述べたことは私見と独断が入っておりますので、あくまで参考程度にしてください。