100年前の古民家のリフォーム費用の総額は『1200万円』リフォームの実例や手順を紹介

アリスです。

 

私が住んでいる家は築100年以上の古民家です。

主人の先祖代々から住んできた家です。

 

何といっても家の基礎が100年前の古民家です。

確かに頑丈ではありますが、さすがに100年もたつと、いたるところにガタがきていました。

 

例えば、廊下を歩くとギシギシ音がなり、抜け落ちそうな所がありました。

実際に、玄関横の和室の畳が半畳分ドサッと床ごと抜け落ちてしまいました。

劣化が進み、居間や奥座敷の畳もいつ抜けてもおかしくない有様で、歩く時はいつもそーっと歩かなければなりませんでした。

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リフォームの動機

最初に書いたように、建物全体が劣化の限界に近付いていました。

他にも、下記の理由でリフォームを決断しました。

 

埃、隙間風、湿気で環境が悪く、段差で生活がしにくい

奥座敷の押入れは土壁が剥き出しで、床の隙間から下を見ると床下の土が見えました。

また床板の隙間から吹上げる風や湿気は半端ではありませんでした。

仏壇を納めてあった小部屋も土壁で、仏壇の上や側面は土埃で灰色になっていました。

 

また、敷居の全てに段差があり、特に居間から台所に入る段差は15cmも低く、遊びに来た友人達はバランスを崩して空中遊泳をする始末でした。。

古民家の良さを残したい

私の家には離れて暮らしている家族や親戚が集う時があります。

このような時は、昔ながらの広間があると大変便利です。

また外国のお客様が見えた時は、昔ながらの漆塗りの柱や戸で「日本」をアピールでき、話題が広がります。

漆器のことを英語で「japan」というのはご存知ですか?

古代から日本は漆を使ってきました。この日本が誇る漆の伝統文化は今も独自の発展をしています。

このような理由で、古民家の良さを残したリフォームを決心しました。

家への愛着

家を新しくとも考えました。

しかし、30年以上過ごした、この古い家に愛着がありました。

また、今の家と同じ大きさの家を建て直すとなると、相当なお金もかかります。

そのため、どうしてもこじんまりとした家にせざるを得ません。

 

また、リフォームついでに、古い車庫と庭の二つの小屋を撤去して新しくカーポートを作り、家と棟続きの納屋も新しくすることにしました。

まさに私たちにとっては平成の大改修でした。

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40年前に一度リフォームをした

実は、40年前に家の基礎はそのままで、一階と二階を一度リフォームしています。

今回は、さすがに基礎を補強して床板、畳の交換、土壁の改修をしなければ生活が成り立たちません。

土埃などで健康を害してからでは遅いですし、地震が起きたときに大けがをすることにもなりかねません。

 

下記の写真は、大黒柱の下にある基礎石です。

この基礎石の下には更に大きな岩のような石が埋めてあり大黒柱を支えています。

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リフォームまでにしなければならない事

リフォームをするにあたり、家の片づけ、業者選びなどをしなければなりません。

特に家の片づけは大変で、かなり時間がかかりました。

断捨離

まず家の溢れんばかりの物の数々を1年かけて断捨離しました。

大正、昭和、平成にかけての全ての物について四つのグループに分けました。

①保存しなければならない重要な物

②日常生活に必要な物

③たまにしか使わないけど必要な物

④手放してよい物

 

④の手放してよい物については、軽四のトラックで10回はゴミ処理場に直接搬入しました。

 

しかし、それでも山のように物が残っているのを見て、さすがに限界を感じ便利屋さんに処分を依頼しました。
便利屋さんは「このような物の多いのは初めてです」と言って絶句されました。

断捨離決行で随分とスッキリしました。

①②③④については、二年毎に同様の断捨離をすると物が溢れることにはなりませんよ。

仏壇など大きな物の移動

片付けが終わり、リフォームする場所においてある大きな荷物の移動をしました。

はじめに奥座敷の床板から解体するため、全ての物を居間に移動しました。

仏壇は仏壇店の人に来てもらって移動してもらいました。

誰に依頼したか

いくつかのリフォーム業者に見積もりをとって決めるのが普通です。

しかし、代々家に関わってくれている大工の棟梁がいるため、その方に依頼しました。

その大工の棟梁の先代の先代が家を建ててくれました。

事前に依頼内容を伝えて、見積もりを出してもらいました。

棟梁はコーディネータの役割を果たして、段取りよく様々な専門業者と連携して指揮を取っていました。

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リフォームの主な工程

5月

・車庫と庭の二つの小屋の撤去

・襖、障子を張り替え業者に預ける

・奥座敷、押入れ、仏壇部屋の床板の解体

・床下の廃材の撤去

・床下に土砂利を敷き、間にシートを入れてその上にコンクリートを敷く

・床板の枠組みを作る

・断熱材を敷く

・床板をはる

・床下支柱の補強

・押入れ、仏壇部屋の補強

・居間、台所と台所の押入れの物を奥座敷に移動

 

下記の写真が、床下から見つかった大量の廃材です。

 

廃材を処分した後、床下にコンクリを敷きました。

6月

・居間と台所の床に取り掛かる

・奥座敷と違うところは、 居間と台所の段差を無くしバリアフリーにしたこと。二つの囲炉裏を撤去したこと。

・奥座敷の壁の塗り替え

・居間と奥座敷のサッシを二重にする

 

7月

・三つの和室に畳が入る

・張り替えた襖と障子を入れる

・居間と台所の壁のクロスの張り替え

・各部屋のライトを全て交換する

・家と棟続きの納屋の解体

 

リフォーム後の仏間の写真です。畳も、壁もピカピカになりました。

 

リフォーム後の台所の写真になります。

システムキッチンは20年前の物です。そんなに傷んでいませんでしたし、節約のためそのまま使っています。

 

玄関から見た写真です。

廃材のあったところが生まれ変わりました。

 

8月

・納屋を建てる。(家と棟続きの納屋は新築しました)

9月

・4台分のカーポートを建てる

全て完了するまでに5月から9月の5カ月を要しました。

リフォームの弊害

健康被害が出そうになった

生活しなからのリフォームは大変でした。
何といっても100年前の基礎をさわるのですから。

奥座敷の床下の暴露で、100年間封印していた埃とカビが舞い上がってきました。
いくら養生をしているとはいえ、隙間から生活スペースに入ってくるのです。

家の二階で寝ているにも関わらず、私だけが夜、喘息発作のような咳が出て眠れず辛い思いをしました。病院に行こうと思った4日目に治ってきてホッとしました。

家人や大工さんや解体業者の若者達やコンクリ業者の方達は何ともないのです。恐るべしです。

ホテル暮らし

そんな訳で、居間と台所の基礎の時は、2週間ビシネスホテルに主人と避難しました。

家に一番近いビジネスホテルを選んだのですが、残念な事に全く快適ではありませんでした。

・食事が美味しくなかったこと。

・私だけが足を何ヶ所も刺されたこと。ダニでもいたのでしょか?

・空調が悪かったこと。

ホテルを出る時に伝えましたが、効果はあるのか・・。

食事はビジネスホテルなので仕方がないのかな思いました。そのため、2週間は外食やお弁当にしました。

 

一ヶ月間、台所が使えず不便だった

台所は1か月間全く使えませんでした。

外食やお弁当や惣菜を買って、何とかつなぎました。

しかし、台所が使えないというのは本当に不便です。

身をもって体験して初めてわかりました。

 

必要以上の経費がかかった

古い冷蔵庫や電子レンジ、オーブントースター、米の保冷庫を買い替え、トイレを新しくしました。

リフォームついでとはいえ、必要以上の経費がかかってしまいました。

しかし、きれいになったことで、私のモチベーションは非常に高くなりました。

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リフォームをした感想

5カ月間のリフォーム期間は、本当に長かったです。

しかしリフォームしてよかったです。

ここでは私がリフォームをして感じた様々なことをお伝えします。

工程がアバウト

年配の棟梁のせいか、地域性のせいか細かい工程内容の提示はなく、確認してもかなりアバウトな内容でした。

これで通ってきているのですから、顧客の方が懐が深いというものです。

古民家は後回しにされる

様々な業者が出入りしましたが、やはり新築の家が優先されて、このような古民家は後回しになってしまいます。

特にクロスの業者は人手不足なのか、かなり遅れ遅れになり、次の業者が業務に入れず、そのぶん期間が延びてしまいました。

このようなときには、クレームを言っても仕方がないので、気持ちを大きく持ちましょう。

そうすれば、結果的にいい仕事をしてくれます。

私の家でも、クロスをとても綺麗に仕上げてくれました。顧客が多い理由がよくわかりました。

リフォームで改善されたこと

リフォームがやっと終わって辺りを見ると、弊害もありましたが本当にやってよかったと思います。

納屋も新しくなり使い勝手がよくなりました。

カーポートもすっきりして、これで害獣も住めなくなりました。

何といっても家が住みやすいです。

床下に詰め込んであった目障りな廃材も無くなり、コンクリートになって床下は端から端まで

見渡せるようになりました。

空気の流れがよくなりました。

床板の隙間がなくなったので、風が入らなくなりました。

そして、訪ねてきた友人たちが空中遊泳をしていた段差が無くなって、安全になりました。

 

解体業者の若者に感動

心に残った解体業者の若者達がいます。彼らは朝から夕方まで実に一生懸命仕事をします。

重機を使いこなし、重い物を要領よく運び、まさに重労働です。

挨拶が気持ちいいです。礼儀がきちんとしていました。

見ていてこちらまで気持ちよかったです。感動をありがとうございました。

リフォームにかかった費用

昔ながらの懐かしい感じを生かしたリフォームができてよかったです。

本当に棟梁や他の専門業者の方々に心から感謝しています。

そして、皆さんに怪我がなくてホッとしています。

この記事が、あなたのリフォームのお役に立てれば、とても嬉しいです。

 

最後にですが、古民家のリフォームだけの総額は621万円でした。

納屋、カーポート、電化製品などの総額は、まだ詳細がでていませんが大体600万円です。

総額1200万円のリフォームでしたが、新築するよりだいぶ安く済んだと思います。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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